生体認証技術に過信は禁物!?


今日は日経新聞主催の「JAPANSHOP」に行ってきました。


同時開催の「SECURITY SHOW」もなかなか楽しいというか、ある意味コワかったです。


最近、ナニカと銀行に行く用事がありまして、その際によく勧められるのが「個人生体認証付ICキャッシュカード」です。こんなに長い名前だったかな?
 業界内では「指静脈認証」VS「手のひら静脈認証」とその採用技術が二分されています。
メガバンクでは、前者はみずほと三井住友、後者が三菱東京UFJですね。
そして最近、地銀最大手の横浜銀行が「指静脈認証」を取り入れることを決定し、地銀各行への影響はとても大きいそうです。


しかし指紋ほど簡便ではないとはいえ、「静脈」という重大な個人情報が全国津々浦々までオンラインでつながるということに抵抗というか、恐ろしささえ感じています。
キャッシュカード等の暗証番号をスキミングなどで盗まれてお金の被害を受けるリスクとどちらを選ぶのか、ということでこのご時世、避けては通れないのかもしれないけれど、この「静脈情報」は暗証番号や住所、電話番号等の「文字情報」とは異なり、まさに「生体情報」なのだ。前者は変更したり引っ越したりして変えることができるけれど、後者は一生ついてまわる、基本的に不可変のもので、つまり一度盗まれたら取り返しがつかないんですよね。


さきに「静脈情報」は「文字情報」とは異なり、って書きましたけど、結局「静脈情報」もコンピュータで管理するという意味ではまったく同じ「デジタル情報」なのです。デジタルの技術は日進月歩、犯罪者と管理側のイタチごっこです。だとすればこうした生体情報もいずれは盗まれる可能性があるものだし、ましてや管理しているのは人間で、過ちもあれば悪用することだってあります。そうした状況で、盗まれるのが個々の人間特有の生体情報であっていいのだろうか、という疑問なのです。
そうかといってカード類を持たずに生活するのはヒジョーに不便というか、いまやアリエナイので、頭の痛いところですねえ。


それにしても、アタシ自身ですら知らない自らの静脈情報を他人が(たとえ銀行といえども)知っているというのは薄気味悪いです。


そのうち
「××銀行のローン審査部の者ですが、明石さんの登録された静脈を検査したところ健康に異常が見つかりまして、このままでは審査が下りませんので至急再検査をしていただきたいと思います。つきましては本日中に検査費用をお振込みいただかないとローン代金のお支払いができなくなります」
なんていう『静脈詐欺』が流行ったりして。


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