英雄の憂鬱


土曜日にラグビートップリーグリコーブラックラムズVS九州電力キューデンボルテックス』を見てきました。
今シーズンはわりとラグビーを見に来られているんですが、実はトップリーグの試合は初めてなんです。
下部リーグの方が空いてて見やすいんでね。


久しぶりに来たのはリコーを見たくなったから。
トップリーグができてから、なんかどのチームも馴染めなかったんですが、黒羊軍団は前から気になってたんです。
ロック田沼やハーフの月田あたりがお気に入り。
先発スコッドを見てみれば、遠藤哲がいるじゃないですか。彼は学生時代によく会いました。彼の先輩と同じチームだったんでね。


トップリーグと下部リーグのトップイーストとはお客さんの入りが違います。
アタシは早めに行ったので、前の方に陣取りました。スクラムラインアウトなどフォワードプレイをしっかり見たかったんでね。秩父宮はグラウンドが近くて、体がぶつかり合う音がビシビシ聞こえてきます。


アタシの周りの席がどんどん埋まっていくのですが、なぜかおばちゃんばっかり集まってきて、なんか挨拶とか紹介とかしてて不思議に思っていたら、その声が耳に入ってきて、謎が解けました。
『こちら、月田さんのお母さま』


なるほど〜。
バックスタンド、ハーフライン際、前方。
ある意味この特等席は『家族&社員応援席』だったんです。
プロリーグができたとはいえ、企業スポーツの枠組みから抜け出せないラグビーらしい光景だ。
ということは、選手がふがいないプレイをしても、強く罵ることができないのだ。
お母さんや奥さんはまだしも、子供達の前でお父さんの悪口言えないですよ。


試合の方は、両チームとも降格のピンチにあり、白熱した好ゲームになりました。
ただ、我が黒羊軍団はラインアウトにミス多発。フッカー滝沢がスロー下手くそ。遠藤、田沼の両ロックが相変わらずラックに入らずライン参加。全般的に攻め手がないカンジ。得点パターンがないというか、決定力不足なんでしょう。
逆転、再逆転のおもしろい展開でしたが、奮闘及ばず負けてしまいました。


翌日曜日の試合結果により、ブラックラムズの自動降格が決定してしまいました。
来シーズンよりオーストラリアの英雄、スティーブン・ラーカムの加入が決まっている黒羊。世界5位の得点実績を誇るスーパースターを、いわゆる2部リーグで迎えることになってしまいました。


ま、空いてて見やすい秩父宮で世界クラスのプレイを見られるなんて、幸せなことかな。
いや、スーパープレイは厳しい試合の中でこそ。低レベルでの独り舞台では輝きを放つことはできないかもしれません。



(月田選手とお母様ツー?ショット)