父の肖像


西武鉄道筆頭株主コクドの持ち株比率を過少記載していた問題が世間を賑わしている。
11月4日には、個人株主が株価急落に対して損害賠償を求め、提訴もした。


そんな折、同日第57回野間文芸賞が発表され、辻井喬の「父の肖像」が選ばれた。
辻井喬。本名堤清二
つまり西武グループ総帥、堤義明の異母兄だ。
かつてはセゾングループ(西武流通グループ)を率いていた男だ。
自身は数年前、セゾンの経営不振の責任をとり、グループから全く手を引き、悠々と執筆生活なのだろう。


その作品が『父の肖像』。
何という皮肉だろう。
堤康次郎
清二そして義明の父であり、西武グループ創始者
本作品を読んではいないので、現実との関連はわからないが、辻井喬堤清二)−父とくれば、誰しも康次郎を思い浮かべるに違いない。


何という皮肉だろう。
この時期に、この作家の、この作品を選ぶなんて。
野間文芸財団に、座布団一枚を贈りたいくらいだ。