郵政民営化の道険し:65円年賀ハガキの不可思議


今年から「インクジェット・光沢」の年賀ハガキが発売された。
1枚65円。高くねえか、これ?


日垣隆偽善系」によると、平成11年の数字ではあるが、年賀状は約37億通。どんなに多めに見積もっても1通あたりの集配コストは約5円、紙代と印刷代は0.5円未満だという。
これが「光沢紙」になっただけで15円も上がるのは異常ではないか?
ちなみに通常の年賀ハガキとインクジェット(光沢ナシ)年賀ハガキはいずれも50円である。これすら高すぎると日垣は言うが、それはとりあえず措いておく。


「インクジェット・光沢」年賀ハガキは1億枚限定とのことだが、これくらいのロットになれば単価はそう変わるものではない。紙自体が特別に高いものでもない。現に店頭小売価格で、100枚入りで1,000円しないで売っている(単価10円以下ということだ)。印刷費を含めても1億枚なら倍もしないに決まっている。もともと50円どころか20円(超高く見積もって)もしないものを、なぜ65円に値上げしてまで売るのか。


あややのギャラが高いのか。


もしこの商品が好評で、今後30億枚以上作成することになったら50円に値下げするのか?
絶対にしまい。
ということは15円×30億枚=450億円ボロ儲けだ。
いやもっと言うと、これも前書からの、しかも孫引きになるが、ヤマト運輸元会長の小倉昌男の試算によると、「年賀ハガキの発送数を40億通とすれば、1枚50円なので2,000億円の売り上げ。このうち経費は多く見積もっても500億円。よって郵政省(当時)は年賀ハガキだけで1,500億円の利益を上げている。そしてその黒字で(民間と競争している)郵便小包の赤字を埋めている」
これを単価65円にすれば2,600億円の売り上げ、コストはそのままだから2,100億円の利益を上げることになる。


毎年これだけの利益を上げながら、今日のニュース「郵政民営化:新会社支援へ1兆円」だと。アホらしくなってくる。
民営化ではなく、民間企業に売却し、リストラしてほしい。