風車の理論


最近新聞に風力発電の記事が頻出している。
京都議定書の発効が近づき、その達成可能性に危機意識が芽生えてきたからであろうか。


川崎市では既にCO2排出削減を目指し、学校に太陽光発電装置を導入するなど電力消費量を抑える環境対策を進めているが、このたび臨海部に風力発電用の風車を建設し、併せて2010年までに基準年(1990年)比ー6%を実現する計画だ。
一方で8月の環境省の発表によると、2003年度の温暖化ガス排出量は前年比+0.4%増、基準年比8.0%増で、目標のー6%とは14ポイントもの隔たりがあるという。思い切った政策転換、エネルギー転換がなければ達成は覚束ない。


Jパワー(電源開発)も全面広告を打つなど、風力発電の認知度が上がっている。風力発電の良いところは、エコロジカルであるだけでなく、その風車自体が癒しの要素を備えていることである。東京湾アンダーを北に抜けて若洲に出ると、遠くに風力発電用の風車が見えるが、晴れた日のその優雅な回転は意外にも美しい。癒し効果を持つあれだけ大きな人工物は他には例を見ないとさえ言えるだろう。この風車を浮島町公園に整備するという川崎市の判断は正しい。


経団連奥田会長は、環境税案には強く反対し、サマータイム制の導入などを提案しているが、もし本気なのであれば国による導入を待つのではなく、各企業判断で就業時間の調整(社内サマータイム)を導入すればよい。そういう企業が増えれば、国も後追いせざるを得ないだろう。それは経済界(民間)主導で実現可能なはずだ。