伊丹の痛み

国土交通省が大阪国際(伊丹)空港の環境対策費について見直し方針を提出した。
国から補助金を出す第1種空港から、一部を自治体が負担する第2種空港へ格下げをしようとしたところ、地元の反発が強いことから、引き続き検討すると記すにとどめた。そして環境対策費の全額を利用者負担にし、伊丹に離着陸するジェット機の乗客か1人あたり300円を徴収する方針とのことだ。


「地元の反発」とは何か。
「地元」(自治体)では負担したくない、ということだ。
伊丹空港は、騒音対策を目的として関西国際空港関空)が建設されたにもかかわらず、大阪市中心部に近いという客の利便性と、地元自治体による税収減と産業の衰退を懸念した移転反対の声により、使用が続行されている。


にもかかわらず、それにまつわる費用は全て利用客負担で、地元は負担したくないというのはいかがなものだろうか。もちろん、この不況の折、多くの市町村が財政難にあえいでいるのはよくわかる。さらにこれまで近隣住民が騒音などに悩まされてきたという負担もあっただろう。しかし、それに関する補償や対策費、減税などの減免措置や恩恵も、相応とはいかないまでも、享受してきたはずである。


とすれば、せめてその対策費の半額くらいは地元自治体が負担するのが筋ではないだろうか。
その費用の捻出方法にアイデアを出すべきである。先の横浜市のバス停広告のように、民間にアイデアを借りてもよい。大阪の空の玄関口である。広告効果は高いはずなので、やり方はあるはずだ。


大阪空港=伊丹(兵庫県だけど)というくらい、知名度は高い。
むしろ今や空港のおかげで伊丹市の存在があるとも言える。その空港に対して、その存続に向けてコストを掛けるのは無駄なことではないはずだ。
伊丹空港の廃止が決まってからでは遅すぎる。
南野陽子の出身地というだけのアイデンティティでは悲しすぎるのだ。