環境増税

11/11付の日経新聞社説で環境税について述べている。
この経済社会の中に環境という価値を組み込むために、税は有力な手段ではあるが、問題も多いとされてきた。


これがここに来て修正案が出てきており、1つは税収の使途を特定財源ではなく、一般財源とする、すなわち環境省によってコントロールさせないとした。次に輸入段階だけでなく、消費段階での課税も併用するという。使途については温暖化ガス排出権を買い取る費用などに充てるということだが、特定財源環境省に不透明に使われるのも困るが、一般財源になっていずれ知らないうちに環境対策費以外のものに使われる可能性があるのも問題である。いずれにせよ官僚の権限であることには変わらないからだ。官僚による不祥事をできるだけなくし、信頼を取り戻さない限り難しい。
また消費段階での課税については、温暖化ガスの排出削減が進む産業分野に比べ、排出が増え続けている運輸業界や小売業、一般家庭などの負担が軽すぎるという批判もあったが、しかし消費段階の課税は、ガソリンと同様に二重課税の恐れがある。


日経新聞のアンケートによると、環境税については65%が賛成という数字が出ているという。


税金に賛成する国民とはどういうものなのだろう。
「環境は大事だ」といううシンプル(愚直)な思いに動かされ過ぎではないか。
これは見方を変えると「税金を払っておけばいいや」という消極的な、漠然とした参加に過ぎず、真剣に環境のことを考えていない、思考停止状態といえるのではないだろうか。
本気で環境のことを意識し、正しい知識を身につけ、よく考えれば、税金の前にできることはいくらでもあるのではないか。環境税を払っていれば環境保護に一役買っているような気分になる、そんな安易なやり方はまっとうではない。


せめて、今後2年間かけて廃止されるといわれる2兆円規模の定率減税、これによる増収分を環境対策に充てるなど、直接「増税」につながらない方策を検討すべきである。