ICタグによるデジタル物流の正確性


ICタグ(荷札)はもともと物流で必要にかられて開発が進んできた経緯がある。
荷を開けなくとも何がどれだけ入っているかわかる、というものだ。その延長として、三菱電機が従来より2倍以上離れた場所からでも読み取れる技術を開発し、大型トラックに積み上げた荷物も、下ろすことなしに管理できるという。


しかし、ICタグがどれほど普及しても小売段階での検品、目で見て数える員数点検はなくならないだろう。デジタルで管理されていたものが間違っていた場合、被害を受けるのは末端である小売業だからである。


さて、もし間違っていた場合、どこに責任があり、賠償請求できるかを遡れるのだろうか。完全なトレーサビリティ(追跡認証)が実現されるとはいえ、間違ったものを正しいものとして「正確に」流れてきているわけだから、責任は最も川上にあるとされるのか。
しかし多くの場合、メーカーと小売が直結しているわけではなく、卸や代理店を通る。責任を追求するのはすぐ上の卸(代理店)に、である。間違った情報を間違ったまま(「正確に」)流したのだから、責任はある。


最新技術が、責任転嫁社会を生まないことを願う。