ニューノーマルにおける本田美奈子

新型コロナでみんなの生活がガラッと変わり、「新しい生活様式」なんてことも言われ、特に春先は緊急事態宣言が出たこともあり在宅勤務や一時帰休など家にいる時間が増えて、身の回りの片付けをしたり新しい趣味にチャレンジしたりした人も多いと聞いています。

 

そのせいなのでしょうか、今月本田美奈子の命日ということもあり、久しぶりにYouTubeで「本田美奈子」を検索してみると、これまで見たことのない動画がアップされていました。自分自身、これまで公開したことはありませんが、動画やグッズなどけっこうな本田美奈子コレクションを持っていると自負していますが、どのくらい持っているかというと本田美奈子の展覧会を開こうかと考えた担当者がアタシに相談したり展示提供を打診してきた(実話・ただし不実施)りしたほどなのですが、そんなアタシも見たことのない動画が最近いくつも上がってきたのは、コロナで在宅時間が増え、昔のビデオなんかが見つかって、YouTubeにアップしたのかな、なんて想像しています。新曲の発表がもはや望めない以上、過去のものを発掘・発見するしかないので、こうした流れは万々歳ですね。

新曲が望めない、と書きましたが、AIの進化で美空ひばりが復活?し、新曲を発表する時代ですから、「AI本田美奈子の新曲」も夢ではないのかもしれません。ただ、どれだけの需要があるのか…。AI美空ひばりは「死者への冒瀆だ!」なんて反発の声も多く上がったようですが、これは美空が偉大すぎたからでしょう。これが本田美奈子ならどうでしょう。きっとコアなファンだけが「似てる」「似てない」を議論するのみに帰するのではないでしょうか。そこまでして聴きたいのか?と問われると、アタシはあまり興味ないというのが正直なところですが、敢えて言えば、晩年のミュージカルやクラシカル・クロスオーバーを経て歌唱力MAXの本田美奈子ではなく、18歳頃のあどけなさと力強さが共存していた素の彼女の声で再現してもらえたらうれしいですね。

 

それよりもっと現実的なのは、未公開曲の発表ですね。現に、没後に出た『優しい世界』というアルバムには、未公開曲が4曲も入っていました。これがなかなかどれもいい曲なんですよ。特に『FLOWER』という曲は大のお気に入りです。未公開の曲があといくつあるのか、それこそたいへんな発掘作業かもしれませんが、彼女をデビュー前から見続け、しまいには彼女だけを抱え、彼女亡き後も(よい意味で)その彼女という遺産を活用し続けている「ボス」なら不可能なことではないでしょう。むしろ彼しかできない仕事なのですから、彼自身が元気なうちにそれを実現することこそ、彼のライフワークとすべきであるとすら思います。大きなお世話ですが。

 

あとは以前も少し触れましたが(と思ってちょっと見返してみたら、2008年!もう12年も前でした笑)、「童謡」ですね。本田美奈子は同じ病院に入院中の恩師岩谷時子に向けて、ボイスレコーダーに「しゃぼん玉」をアカペラで吹き込んで送り届けていました。たしか、もっと他にもいくつか歌っていたと思います。これらをCD化して「10曲・3000円」だったら誰も買わないかもしれませんが、ネット配信の時代です。「1曲・100円、10曲・1000円」なら、彼女のファンは必ず買うのではないでしょうか。ぜひ実現してほしいものです。あのボイスレコーダー、今もどこかで聴けるのかなー。