鹿喰いアタマをマルクスる

コロナ禍において、テレビでクイズ番組が増えたような気がします。

数えたわけではないのですが、東大在学生や東大をはじめとする有名大卒の芸能人、あるいは天才小学生などあらゆる角度から参加者を集めて、毎日のように見ているような気がします。クイズというのは視聴率が取れる鉄板番組なんでしょうかね。

 

翻って、中学受験塾の名門である日能研が出している電車広告も有名?だと思いますが、今日はそこから引用します。

 

>フェリス女学院中学校 2020年 国語

 

>あなたが変えたいと思っている

>現代の常識を一つ挙げ、

>その常識を捨てたときに

>どのような変化が起こると思うか、

>あなたの考えを二百字以内で書きなさい。

 

これ、小学6年生が答える問題ですよ。たいへんですねぇ。

そもそも常識って、たしか「common sense」の訳語じゃなかったかな。直訳すると「共通の感覚」。大人になった今では「協調性」「同調圧力」「世間体」といった「常識」に近い感覚でなんとか世渡りしているパンピーも、それはこれまでの何年も、何十年もの経験を踏まえた上で得た生きる知恵とも言えるでしょう。

しかし、小学6年生にはそんなに豊富な経験があるわけではないし、そうすると「常識」の幅も狭いことと思われます。だとすると、この問題で一番難しいのは「常識」を見つけることなのかもしれません。

 

「人は人を殺してはならない」とか「戦争放棄」とか「先生を敬う」とか、そんなものを「やめる」なんて答えたら、それがどんなに論理的に正しく説明できても、きっと受からない気がします。

では、この問題は何を基準に点数を付ける、合格を決めるのでしょう。普通に考えれば「課題設定能力」と「論理的思考」なのかなと思います。さすがに「課題解決」には論理的な正しさだけでなく、相手を納得させる「説得力」や「話術」、根回しなどの「政治力」、反論されてもくじけない「精神力」や「突破力」、その他諸々のテクニックを駆使する必要があるでしょうから、そこまでは200字以内で答えるのは困難と思われます。

 

アタシが小学生の頃の「常識」ってなんだろうかと考えてみても、「女便に入っちゃいけない」とか「学校でウ○コできない」とかしか思い浮かばないです。

不合格ですな。